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膝関節痛(ひざの痛み)

膝関節痛(ひざの痛み)

ひざの痛みでお困りではありませんか。

松﨑整形外科医院が膝関節痛(ひざの痛み)を診療する際に大切にしていることは、以下の通りです。

正確な診断と段階的な治療
病期を見極め、薬や注射、リハビリ、装具などを組み合わせた無理のない治療計画を提案します。

早期からの保存療法
症状の進行を防ぎ、手術を回避または遅らせることを目指します。

生活の質(QOL)を守る
痛みを取るだけでなく、運動機能の回復を重視します。

膝関節痛(ひざの痛み)について

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 歩行や階段の昇り降り、スポーツ中に膝が痛む
  • 膝が曲げにくい・しゃがみにくい
  • ひねったり立ち上がったときに痛みが走る
  • 膝がぐらつく・抜けるような感覚がある
  • 膝の中で引っかかる感覚がある
  • 膝が腫れて水がたまる
  • 他院で「湿布で様子を」と言われたが改善しない
  • スポーツや着地の際に「ガクッ」と膝が崩れることがある
  • 膝のお皿の下・腸脛靱帯付近が運動後に痛む
  • 座っていると膝の内側が痛い
  • 他院で「湿布で様子を」と言われたが改善しない

これらの症状が長引く場合、変形性膝関節症・半月板損傷・靱帯損傷などの疾患が潜んでいる可能性があります。

受診の目安

  • 痛みが2週間以上続く
  • 歩行や階段の昇降に不自由を感じる
  • 膝の腫れや熱感が繰り返し起こる
  • スポーツや日常動作で膝が抜ける・不安定に感じる

当院で主に診療する膝の疾患

  • 変形性膝関節症
  • 特発性大腿骨内顆骨壊死
  • 前十字靱帯損傷/後十字靱帯損傷/側副靱帯損傷
  • 半月板損傷/円板状半月障害
  • オスグッド病/シンディング-ラーセン-ヨハンソン病
  • 有痛性分裂膝蓋骨/膝蓋骨不安定症
  • 滑膜ひだ障害/ベーカー嚢腫
  • 離断性骨軟骨炎
  • 痛風/偽痛風
  • ジャンパー膝(膝蓋腱炎)、ランナー膝(腸脛靱帯炎・鵞足炎)、膝窩筋腱炎
  • リウマチ性膝関節炎、乾癬性膝関節炎 など

代表的な疾患と治療方針

変形性膝関節症

膝は体重を支える最大の荷重関節で、大腿骨と脛骨の表面は軟骨で覆われ、さらにクッションとして半月板が挟まれています。
加齢や体重負荷、遺伝的要因などにより軟骨が摩耗・変性し、炎症を起こすことで痛みと可動域制限を生じます。
50歳以降の女性に多く、放置すると日常生活に支障をきたすことがあります。

診断

立位でのX線検査で関節の隙間を確認します。半月板や靱帯の状態を詳しく調べる必要があれば、超音波(エコー)やMRIを追加します。

治療

当院では保存療法を第一選択とします。重度の場合でも手術は最終手段とし、以下を症状・病期に合わせて組み合わせます。

保存療法
1.生活指導
  • 痛みが強い時期は歩数を5,000〜6,000歩に制限
  • 階段の使用や冷えを避け、膝の保護を優先
  • 痛みが落ち着いたら適度な歩行で軟骨代謝を促す
  • 体重管理は重要です。薬物療法や注射を併用しながら段階的に実施
2.運動器リハビリテーション
  • 大腿四頭筋・中殿筋強化、ストレッチ、可動域訓練
  • モーターコントロールエクササイズ、神経筋促通療法
  • 歩行・バランス訓練や徒手療法などを症状に合わせて実施

→ 膝周囲筋・股関節周囲筋を強化して膝関節の安定を高め、痛みを軽減します。

3.薬物・注射療法
  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)、漢方薬
  • ヒアルロン酸関節内注射:軟骨保護・潤滑作用・炎症抑制が期待され、国内外の最新ガイドラインでも有効性が認められています
  • ステロイド関節内注射:強力な抗炎症作用があり、疼痛や腫脹が著しい場合に実施します
4.物理療法・装具療法
  • ホットパック等の温熱療法
  • EMS(筋電気刺激療法)
  • 膝サポーター、インソール、杖 など
再生医療(バイオセラピー)

上記の保存療法で効果が乏しい難治例には、自己多血小板血漿(PRP)療法等の次世代再生医療を選択肢に加えて治療を検討します。
PFC-FD療法は、自身の血液に含まれる成長因子を利用し、膝関節をはじめとした運動器の再生・修復を促す最先端の再生医療です。
保存療法やヒアルロン酸注射で十分な効果が得られない場合でも、手術前の選択肢として有効なケースがあります。
膝の痛みでお悩みの方は、一度ご相談ください。

手術療法

保存療法を尽くしても強い痛みや歩行障害が改善しない場合は、人工関節置換術や関節鏡手術などの外科的治療が選択肢となります。

当院は以下の連携医療機関などと密接に連携し、適切なタイミングで紹介します。

連携病院について

など

半月板損傷

半月板は膝関節の内側・外側にある三日月形の軟骨様組織で、衝撃吸収・荷重分散・関節安定化の役割を担っています。スポーツ中の急激なひねり、屈伸動作による外傷(若年者に多い)や、加齢による変性(中高年に多い)によって損傷します。
膝の痛み・腫れ・曲げ伸ばし時の引っかかり感 が主な症状で、損傷が大きいと膝が突然ロックして動かなくなる「ロッキング」を生じることもあります。損傷を放置すると関節軟骨への負担が増し、変形性膝関節症へ移行するリスクがあります。

診断

問診・触診でマクマレーテスト・アプレイテストなどの誘発テストを行い、損傷を疑います。 X線検査で骨・関節の変化を確認したうえで、損傷の部位・範囲・程度の評価にはMRIが最も有用です。超音波(エコー)検査も補助的に活用します。

治療

損傷の程度・部位・年齢・活動レベルに応じて保存療法と手術療法を判断します。

保存療法
1. 急性期の安静・固定
  • 受傷直後は膝への負荷を減らし、アイシングと圧迫で腫れを抑制
  • 必要に応じてサポーターや松葉杖を使用
2. 運動器リハビリテーション
  • 大腿四頭筋・ハムストリングスの筋力強化で膝の安定性を補う
  • 可動域訓練・バランス訓練・歩行指導
  • スポーツ復帰に向けた段階的なアスレティックリハビリ
3. 薬物・注射療法
  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)で炎症と痛みを緩和
  • ヒアルロン酸・ステロイド関節内注射で炎症と疼痛をコントロール
4. 物理療法
  • 温熱療法・低周波療法・超音波療法による疼痛緩和
手術療法

保存療法で改善しない場合や、ロッキングを繰り返す場合、スポーツ復帰を希望する若年者の大きな断裂などでは、関節鏡(内視鏡)を用いた半月板縫合術または切除術 が検討されます。手術が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。

靱帯損傷(前十字靱帯・側副靱帯)

膝関節は前十字靱帯(ACL)・後十字靱帯(PCL)・内側側副靱帯(MCL)・外側側副靱帯(LCL)の4本の靱帯によって安定が保たれています。スポーツ中の急激な方向転換・着地・接触、あるいは交通事故などで損傷します。
なかでも 前十字靱帯損傷 はサッカー・バスケットボール・スキーなどで多く、受傷時に「ブチッ」という断裂音とともに膝が崩れ落ちる感覚が生じます。内側側副靱帯損傷は膝の外側からの衝撃で起こりやすく、膝内側の圧痛・腫れが特徴です。放置すると膝の慢性的な不安定感が残り、半月板・軟骨への二次損傷につながります。

診断

問診・触診で前方引き出しテスト・ラックマンテスト・内反・外反ストレステストなどを行います。
X線検査で骨傷・剥離骨折の有無を確認し、靱帯・半月板・軟骨の状態はMRIで評価します。

治療

内側側副靱帯損傷(保存療法が主体)〕
1. 固定・装具療法
  • 損傷度に応じてサポーターや膝装具(ヒンジ付きブレース)で固定
  • 軽度〜中等度の損傷は保存療法で十分な回復が期待できます
2. 運動器リハビリテーション
  • 大腿四頭筋・ハムストリングス・股関節周囲筋の筋力強化
  • 固有感覚(プロプリオセプション)訓練・バランス訓練
  • スポーツ復帰に向けた段階的なプログラム
3. 薬物療法
  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)で急性期の炎症・疼痛を緩和
前十字靱帯損傷(手術療法も含めた検討)

前十字靱帯は自然治癒しにくい靱帯であるため、スポーツ復帰を強く希望する方・若年者・慢性不安定症が日常生活に支障をきたしている場合は、靱帯再建術(関節鏡下) が選択肢となります。術後のリハビリには通常6〜9か月以上を要します。一方、高齢者や活動性の低い方、日常生活への支障が少ない場合は保存療法(筋力強化・装具)でも対応可能なケースがあります。 手術の適否は年齢・活動性・損傷の程度・合併損傷(半月板・軟骨)を総合的に判断します。手術が必要と判断した場合は連携医療機関へご紹介します。

オスグッド病(オスグッド-シュラッター病)

小学校高学年から中学生のスポーツをしている成長期の子どもに多い疾患です。大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が膝蓋腱を介して脛骨粗面(すねの骨の出っ張り部分)の成長軟骨を繰り返し引っ張ることで炎症・剥離が生じます。 膝のお皿の斜め下、すねの出っ張り部分の痛みと腫れが特徴で、運動後に悪化します。成長が止まると多くは自然に改善しますが、放置すると骨が大きく出っ張ったまま残ることがあります。

診断

問診・触診で脛骨粗面の圧痛と腫脹を確認します。X線検査で脛骨粗面の変化(骨片・分離)を評価します。

治療

保存療法
1. 運動量の調整
  • 痛みが強い時期は患部への負荷を減らし、一時的にスポーツ量を制限
  • 完全に中止する必要はなく、痛みと相談しながら活動量を調整します
  • アイシング(運動後の冷却)で炎症を抑制
2. 運動器リハビリテーション
  • 大腿四頭筋・ハムストリングスのストレッチで腱の牽引力を軽減
  • 股関節・体幹の柔軟性・筋力強化で膝への負担を分散
  • スポーツ動作(ジャンプ・ランニング)のフォーム指導
3. 装具療法・薬物療法
  • 膝蓋腱バンド(パテラストラップ)で腱への牽引力を分散
  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)で炎症と痛みを緩和
3. 物理療法
  • 超音波療法・低周波療法による疼痛緩和と組織修復促進
手術療法

骨端線(成長軟骨)が閉じた後も症状が残存し、骨片の癒合不全が認められる難治例では、骨片摘出術が検討されます。手術が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)・ランナー膝(腸脛靱帯炎・鵞足炎)

いずれも繰り返しの動作による オーバーユース(使いすぎ)障害 です。
ジャンパー膝(膝蓋腱炎) は、バスケットボール・バレーボール・陸上競技などジャンプ動作が多いスポーツで発症しやすく、膝のお皿(膝蓋骨)の直下に痛みが出ます。膝蓋腱に繰り返しの牽引ストレスがかかり、腱の変性・炎症が生じます。

腸脛靱帯炎(ランナー膝) は長距離ランニングなどで膝の外側に摩擦炎症が起こる疾患です。 鵞足炎 はランニング・自転車・水泳などで膝の内側やや下方に炎症が生じます。いずれもシューズ・走行路面の見直しや筋力バランスの改善が再発予防に重要です。

診断

問診・触診で圧痛部位を特定します。超音波(エコー)検査で腱・靱帯の肥厚・変性を確認します。鑑別が必要な場合はMRIを追加します。

治療

保存療法
1. 生活指導・運動量の調整
  • 症状を悪化させる動作・練習量を一時的に制限
  • 練習環境(シューズ・路面・フォーム)の見直し
  • アイシングで急性の炎症を抑制
2. 運動器リハビリテーション
  • 大腿四頭筋・ハムストリングス・腸脛靱帯・股関節外転筋のストレッチ
  • エキセントリック(遠心性)収縮訓練:腱炎・腱症に有効
  • 体幹・股関節の筋力強化で膝への負担を軽減
  • ランニングフォームの評価と改善指導
3. 薬物・注射療法
  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)で炎症と痛みを緩和
  • 局所ステロイド注射:短期的に有効。腱変性のリスクがあるため頻回投与は避けます
手術療法

保存療法を十分に行っても改善しない難治例は、変性した腱組織の切除術・腸脛靱帯の解離術などが検討されます。手術が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。